部屋の壁に写真を飾りたいとずっと以前から思ってはいたものの、私たちは長い間賃貸のマンション暮らしで、壁に釘を打てなかった訳。そこで季節を感じる花の写真を壁に立てかけたり、棚やチェストの上に載せていました。ところが今思えば、むしろ写真が暮らしの中に自然にとけ込み、美しい花の香りや風を感じるのです。休日の午後はソファに横になって、ふっと目を開ければ、すぐ脇の写真が私に何か囁いているようで、又、一日の仕事を終え部屋に戻ると、写真の中の花たちが私を待っているかのように迎えてくれるのです。
フレッシュな花は、瑞々しく優しい香りを放ち、私の心をゆったりさせてくれて。時には力強さに溢れ、元気を与えてくれ、それは素晴らしいの。けれど、あまりにも仕事が忙しくて疲れ切っている時など、花の水かえなどの世話がつらいことも。そんな時、大好きな写真が置かれていれば、心やすらぐ空間になってよ。



高橋永順プロフィール 雑誌「カメラ時代」、1967年新人賞受賞。しばらくの間、カメラマンとしての活動を停止。1974年、群馬の山麓に建てた山小屋周辺の野の花に魅せられ、撮影を再開。世界の野の花を探して撮影し、エッセイを綴る。すでに30冊の本を出版。現在、東京に花教室を持ち、多くの女性を指導するほか、月刊誌、TV、ショー、イベントなどで活躍中。
